「日本」ってどんな国? 本田由紀著

読書とその周辺

昭和の時代に就職し、それからまもなくバブルが起きて、平成があって令和になって。3つの時代を超えていままで働いて生きてきました。

平成時代の前半までは、夜勤勤務というと単価の高い、実入りの良い仕事でした。夜中は寝ている時間帯。その眠い時間に勤務するので、日中の勤務よりも割増賃金が加算されていたからです。

わたくしの会社や関連会社が特殊なのか知らないけれど、夜勤勤務なので実入りが良い、ということは今はありません。いまの時代は当時の常識から明らかに変わった。みじかな点。

新卒で入社した会社はシステム開発の会社。特別な業界で職種のため、「派遣」という形態がまかり通っていました。

1980年代には「派遣」で雇えるしごとはごく稀で、サラリーマンが年俸制にもなっていませんでした。2000年くらいまでは、日本って「総中流社会」と言われていた。

リストラっていう言葉もなかった。平成になるとどんどんの理不尽な首切りが起きました。わたくしは首切りになったことはありません。

わたくし個人としての生活は、派遣の時期も数年あったけれど、借金もすることなく、どうにかこうにか暮らしてきました。

入社6年目で新卒で入社した会社を自己都合で退職したのは、当時としては珍しかった。時代よりも先に転職人生を歩んでいたような気もしています。

個人的な実入りは昭和の当時より良いし、いまの生活は悪くは有りません。日本はどんどんと変わった。けれど、適応し順応してきたのかもしれません。

「日本」ってどんな国? に書いてあることは薄々知ってはいました。どちらかというと、昭和も平成からの変化も知らぬまま生きている若者に向けられた著書という印象。

1980年代ってランチをワンコインで食べることはできませんでした。最低1,000円。可能だったのは吉野家や立ち食いソバ店とホカホカ弁当くらい。

この10年以上前からはお店の前で売るランチもワンコイン料金が普通になっています。昨今のインフレの日本でも、ランチの料金は変えずに少し量を減らしているのみ。

「これじゃ儲けないよね・・」と思いながら、売れ残りぎみの割引になった2時の弁当を買うことがあります。

本著には1980年代の企業の時価総額トップ50のランキングと2019年の企業の時価総額トップ50が比較されています。

日本の企業が並んでいたのが1989年で2019年には日本企業は1つしかない。

それが何?という感じがわたくしはしています。寡占化し1つの企業だけが儲かっていることが良いこと、という前提があるからです。

分社化していれば、1社の時価総額って低くなる。

時価総額トップ50のランキングに日本企業がランキングされなくなった原因って、日本にだけあるのではありません。たとえば、技術流失を良しとして海外企業に日本が支援した結果、という要因もあるからです。

他国の発展に寄与した側面はあるでしょう。それは、日本が1989年までの間に他国から技術を吸収し成り上がった現象と似ている。

日本の若者の多くが「生きる意味が分からない」と感じている。73か国中で最低。

コレって悪いことですかね?

本質の核心をクリアな素頭で分かっている、と私には思えます。生きる意味ってないんです。

人生の核心に迫る、そのためには、「生きる意味が分からない」と感じていることって大きなアドバンテージだと思うのです。

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