いつ死んでもいい老い方 外山茂比古著

読書とその周辺

一代かぎりの覚悟

昨年(2020年)に亡くなった英文学者で評論家の外山茂比古さんは、”思考の整理学”など人気の著述家。もちろん、家族がいらした。それでも、一代限り!と遺産相続をしないと決めると気持ちがスッキリしたそうだ。

シングルに未練ってあるでしょうかね? 出来れば結婚したかった、という人であれば未練はあるでしょう。今からでも遅くありません、達成してくださいね。

40歳を過ぎたあたりで独身でいた自分をしみじみ「結婚してなくて良かった」と思ったことが私にはあります。

家族の面倒や子育てが大変だからイヤだ、と言うのとは違う。人間の真理、というと大げさに聞こえるけれど、そうしたものに遠慮なく裸で体当たりできる資格がシングルにだけある、と知ったからなのです。

小毒の妙

小毒のことはわからないように書かれている。色(異性との交わり)のことらしい。浮気。

戦前と戦後間際には日本には結婚していても2番目の婦人はいた。浮気なのか本気なのか?2号さんはあった。江戸時代の日本の性はおおらかだったのだし、現在のでも祭りではおおらかなことはあると聞く。

令和の現代の若者には信じられないだろうか。

シングルに不貞はない。シングルは浮気で非難されることはありえない。リタイヤ後に堂々と恋愛を謳歌する特権がシングルにはある。

外山茂比古さんは70歳まで現役でお仕事をされた。元気の源は”色”であったと小声で白状している。

時を忘れる

外山茂比古さんの同僚に哲学者がいらした。高校時代のスポーツと勉学の関係の話題になった。その哲学者は、勉学に集中するため一時、陸上競技の部活を止めた、するとどんどんと成績が落ちた。

スポーツをすると体力を消耗し、その後の勉学の集中力が落ちるような気になる。けれど、結果は真逆。

なぜなのか? 勉学とは全く異なる競技をし、短い時間で集中して勉強すると成績が上がった。集中力の差。

年を取ると陸上競技やスポーツは年寄の冷や水に近い。かえって体を壊す。では、どのように集中力を高める訓練をしたらよいのか?

静かで邪魔者が居ないところではなく、あえてうるさい場所で注意集中する訓練をし大切な原稿を書いたと、外山茂比古さんはいう。

贅沢

老後2,000万円問題は気になる。徐々に年金の受給開始年齢が後ろになるだろうし。コスパの良さで選ぶことは合理的であり家計にやさしい。

未来のことは誰にも予測できない。

コロナ渦でもわかったことは、対岸の火事のようでなく、誰でも自宅の火事にあいかねない。自分だけな切り離して・・・とはいかないこと。結束的に拘束的に全体的にあらゆる影響を受けること。

経済でもひとり勝ちにならない。結束的に拘束的に全体的に、用意周到であっても。

時には、コスパに囚われることなく「エイヤー」と金を使う。7~8人まとめておごる。こうしたことはできる時にしておくことだと思う。

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