ダメな時ほど運がたまるってどういうの?

読書とその周辺

子育てをするとき、「いい子に育ってほしい。」ってみんな親はおもうものです。

「でも、小さい時からずーっといい子だと、けっこうつまらない大人になるんです。」と欽ちゃんはいいます。

どういうことなのでしょうか?

こどもは親をよーく見ているので、親が「いい子」を期待していることがわかると、「いい子」を演じるようになります。

叱られるようなことをしないのが、「いい子」だと勘違いして、無難なことしかしない子供になっちゃう。


こういう「いい子」が「いい子」のまんま大学へ行って、卒業すると、普通な仕事をして家庭を持って、なんとなく楽しく暮らす、みたいなことしか考えない。

失敗することを経験してきていない分、失敗を恐れてしまって冒険をしません。
何事も自分から積極的にしようとしない。
外に出てひとと付き合っていくことが下手な大人になっていきます。

ところが、というか、むしろ、「ダメだね~この子は・・」と言われることの多かった子供時代を過ごしたひとは、たとえば会社に入社して、先輩や上司から「ダメな新人・・」と扱われたとしても、

叱られても、へっちゃらです。ある程度言われ慣れているからです。

言われても、「いつものこと」と思ったり、「はいダメでーす。」とは言わないものの、自分の中でそうおもって納得して、素直に先輩や上司の言うことを聞く余裕が生まれる。

だから、運がためられる、と欽ちゃんはいいます。

「ダメな子」から出発すると、大人になるころにはずいぶん運がたまっている。「おまえはダメだな!」と言われるたびに、自動的に運は貯金されていくし、囲からあまり過剰な期待はされないので、ある程度の野放し状態になってドンドン行動するから、実践でものごとを学べる。

すると、「いい子」のまんま大人になったひとより断然、発想だって豊かになっちゃう。

おもしろいことに、「ダメ」から出発する、スタートすると、すこしがんばっただけでグンと伸びるんです、と欽ちゃんはいいます。

ダメな人は、まわりの評価点数がもともと低く設定されているので、ちょっと伸びただけでもほめられやすい。そつなく「いい子」を演じてきた人は気に入られるようにふるまうことは得意だけれど、

自分の頭で考えることは苦手です。

ダメな子は「どうして自分はダメなんだろう。」「どこが悪いんだろう。」って考える力も育つし、人との付き合い方もうまくなったりします。

欽ちゃんのいう「運がためられる。」っていうのはどういうことなのでしょうか?

ダメだしされることで、人生の踏み台を築くことができる、人生の基礎がどっしりできあがる、といいたいのだと私はおもいました。

麦に例えるといいかもしれません。

早春の寒い時期に麦の芽を足で踏む作業のことを「麦ふみ」といいます。

麦ふみは麦の苗の部分を踏むことによって寒さや乾燥に強くなります。

また、根の成長や増加をうながします。足で踏むことで浮き上がった土を押さえ、しっかり土に根を張らせ、まっすぐ伸びる丈夫な麦に育てることができます。

「若いうちの苦労は買ってでもしろ。」という言葉があります。「苦労あってこそ運がためられる。」と欽ちゃんは言いたいのだとおもいます。

コメント

error:Content is protected !!
タイトルとURLをコピーしました