体の痛みがすーっと消える本 富永喜代著

読書とその周辺

長生きしたけりゃ医者選びが9割

加齢に伴い体には様々な痛みが感じられてきます。その痛みに対する考え方を改めさせてくれる一冊です。

行政は”かかりつけ医”制度を導入しているけれど、自分に合った医者を探す事は難しい。子供のころ親に連れて行かされた医院は、良心的な医者だった。その医院は、我が家のかかりつけ医だった

成長するにつれて、標準的な健康体の私は、自然に病院と縁が薄くなる。社会人になると、土日に診察してくれる、あるいは、近場の医院、職場付近の医院を探して受診する羽目になった。医者を選ぶ余裕がなく、医者を選ぶという発想もない人は少なくはないだろう。


もし、かかっている病院の医者の判断に疑問を感じたら、セカンドオピニオンと言って別の病院の医者の意見を聞くことができる。

医者が医療の素人に値踏みされることを嫌い、他の病院で診療中の患者を診察したがらなかった時代はあった。

自分や医療機関を検証したがる始末の悪い患者を冷遇した反動で、セカンドオイニオンという制度ができあがったのだろう。ただし、どちらの医師の判断が正しいかを素人の患者が見極める事は極めて難しい。

だから日ごろから医療系の本を読んで自分の知識を高めておく事はかなり重要だ。ヘタな医者任せにしない。


専門医と言うとどこも同じ様に最もクオリティーの高い医療を提供してくれると信じてしまう。同じコンビニエンスストアでも、スタッフによって通いたい店と二度と行かないと思う店はある。

医者は患者を健康へ導く船頭と例えると、慎重に選ぶことで人生は変るに違いない。

著者の富永医師はそうではないと言う。確かな医師にたどり着く、そのために参考になるサイトがあるので調べてみよう。 日本ペインクリニック学会日本麻酔科学会

痛み止め薬のリスク

何かの本で”痛み止めは、体温を下げる”ことによって痛さを和らげる薬だと書いてあった。つまり痛みに直接アクセスして作用するのでなく、感じる側の感度を下げると痛さが減ると言うのだ。

体温をむやみに下げることが果たして正解なんだろうか?

体温が低い人はガンになるリスクが高い、と内科医から聞いたことも思い出す。整形外科医を受診すると、必ずといってよいほど、大量のシップ薬を処方される。

ぎっくり腰のような突発的で激痛のやるせない短期間であれば、シップ薬の効能の恩恵に預かることは賢い。

慢性化している痛さを痛み止めで消すことはできないと富永喜代医師はいう。では、いつも痛む痛さはどう解消すれば良いのか?

痛みは心と体、表裏一体の現れ

と富永喜代医師はいう。

痛さを軽くするアプローチ4つ

ストレスを軽くする方法が痛さを和らげる、と富永喜代医師は考えている。具体的な方法は、
リラクゼーション、体を休める、レクリエーション、非日常の環境に身をおく、の4つ。

リラクゼーションと言うのは神経をしっかり休めること。腹式呼吸、入浴、緊張をほぐす時間を作ると言うこと。


体を休めるとは睡眠をしっかり確保するマッサージやストレッチなどをして筋肉のコリを取る
こと。

レクリエーションと言うのは、笑う・感動して涙を流す・軽い運動を行うこと。


非日常の環境に身を置くとは、旅行したりアロマテラピーをしたりヨガをすること。普段は行わないことをして気分を変えると言うこと。

痛みと痛い感じの違い

痛みと痛さは同じではありません。幼少の頃、医院で「それでは注射を打ちましょう・・」と言われると、途端に泣き出したのは、痛みはないのに痛さを感じたからなのです。

痛みそのものと派生した痛い感じ

嫌だ嫌だと思うと余計痛さを感じる事は無いでしょうか?

私は少しヴィパッサナー瞑想をするので、痛みを観察したことがあります。痛みは同じ場所にはなく、消えたり現れたり、大きくなったり萎んだり、忙しない。


私には腰に椎間板ヘルニア、首には脊柱管狭窄症があります。自己養生によって普段痛みがないけれど、調子が悪いと痛み出すことがあります。

そんな時に、瞑想で痛みそのものに意識を集中していくと、痛みがそこにとどまっているのではなく、いろいろなところに移り、弱まったり消えたり、また現れたり消えたり、痛みが動的に動いていることに気づきました。

富永医師は痛みに対して起こる怒りの感情が痛みをさらに増幅させ大きなものに感じられるようにしてしまうといいます。

痛いのは嫌だと思うことも怒りです。痛いのは誰であってもイヤではある。

けれど、感情というスピーカーで音量を上げるのではなく、痛みをある程度放っておく、気にしないで受け止められると、かなり痛さが少なくなるというのが実感です。

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