子供の頃は良くテレビでプロ野球を見ていたけれど、長嶋茂雄が引退したあたりから、ほとんど見なくまりました。それでも、落合博満さんが現役時代に三冠王を3度達成した超一流のバッターであったこと位は知っています。
大谷翔平の二刀流に対する落合博満さんのコメントは、素人にはわからないけれど、その域に到達した人であればわかる、もしかすると、2人にしかわからない、そんな謎めいた言葉で 大谷翔平 さんを褒めていました。
本著へ私の関心が向かったのは、謎めいた実力者の本心を覗いてみたかったからです。本著には、その謎を解明している予感がありました。
「確かに嫌われてきた」よな。私も憧れの選手というよりも風変わりな野球選手であり監督でした、落合博満さんが。
「オレ流」の落合博満さんを知らないし、好きでも嫌いでもない。どちらかというと調和・協調の無いエゴイストなのだと勝手に感じてきました。
youtubeのどこかの番組で落合博満さんが1昨年亡くなった野村克也さんを「亡くなって奥さんに会えるんだから・・・」とコメントしていたのが印象に残っていました。
その言葉は、野村克也さんの思いより以上に、落合博満さんが奥様をそんな風に思っている告白のように感じたからです。
そんなことも重なって手にした本著は476ページの分厚い本。昨年末から読み続けています。自分と重ね合わせながら。
人は何によって試練に立ち向かうことができるのでしょうか?
年始には今年の目標を掲げる人は少なくありません。元旦の高揚感で新規一転したい。でも、ほとんどは、目標達成することなく失敗する。私はその部類です。
落合博満さんはプロ野球選手になる前にはボーリングでプロを目指していた時期があります。売れない芸人がパチプロをしているのにどこか似ている。
軸が定まっていない。いなかった。
ある日、のちに結婚する信子さんの住む家に、大家さんになにか嘘をついて鍵を借り、勝手に上がって待っていた。
豚肉をおみやげに信子さんと付き合いたいことを伝えるために。
信子さんは、その気持ちが本気だと知った、そして、落合に付き合う条件を提示するように言った。
「私と付き合いたいのはいいけど、じゃあ、あんたどうなりたいの?」。
すると落合は、野球ができればそれでいい、何にもない、欲が無い。そこで
「あんた、何か信じるものを持ちなさい。」といって、これまで大事にしてきたものすべてを二人で一緒にベランダで燃やした。その代わりに新しいお守りを二人で身につけた。

人が目標を設定しそれを成し遂げるには、目標を設定したりスケジュール管理することでは足りない。成し遂げたい強い意志をがっちりつかむ必要が必ずある。
おみやげに豚肉を持参して焼いて食べて付き合いたいと告白する男は破天荒ではあるけれど、何も魅力がない男でしかなかった。
落合博満さんを無欲な浮雲風来坊から三冠王にさせたのは、落合信子さんの促しにあった。
人は何によって試練に立ち向かうことができるのでしょうか?
大切な大事なもの事や人と、設定した目標がリンクして初めて、どうしても成し遂げたいと強く思い続ける力が育まれ、立ち向かうことができるのです。
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