家族だから愛したんじゃなくって、愛したのが家族だった 岸田奈美

読書とその周辺

困難に悩んでいる人が読むと、生きる勇気がもらえる本。著者の岸田奈美さんを今回本書で初めて知ります。SNSではかなり有名な方のようです。


少し意味不明な本の題名が気になって手に取った本です。題名から察するに、少し年配の女性と思いましたが1991年生まれの岸田奈美さんの文章は独特で爽やか。


世の中には、親子関係が良い家族と悪い家族がいるのだと思います。もしかすると家族愛といったものを知らない人もいるかもしれません。


あまり家族と仲が良くなくとも、家族だから、親だから愛さなければいけないとそのようにして家族と関わっている人もいるでしょう。


本の題名の”愛したのが家族だった”の意味は、家族だから愛さなければならないと言うハードルがなく、そもそも仲の良い家族だと言うことなんだと思います。


だからといって著者に家族への葛藤がなかったわけではありません。大好きだった父親の突然の死。高校生の時に母が急に病に倒れた。弟はダウン症。


家族で普通に元気なのは高校生の奈美さん一人。若くて介護であったり、意思疎通に手間が掛かる弟の面倒を見なければならない。


奈美さんの凄さは、サラリーマンになるんではなく、起業し会社を作り母を助けてる事を大学生で決めていた事。そしてミライロという会社をほんとに作り、母親を従業員として雇った。


私が奈美さんの立場だったら、リスクを取らず安定をとり確実で硬い仕事を目指すだろうと思います。
何故ならば、自分がコケる訳にいかないから。


奈美さんには、勇気と強い志がある。どんな事も面白く楽しく明るく捉えて前向き。
爽やかで感傷的にならず、だからといって重さがない。


たぶん、SNSで人気者となり、時の人になったらしく、日本財団から声がかけられて海外視察旅行の企画に招かれています。


ファインドマネージャーで有名な藤野英人さんともお会いしている。藤野英人さんから

「日常でお金を使うか迷った時は、投資の視点で考えるといいよ。自分にとって一番リターンの大きい使い方をするとよい。」と言われ学びます。

お金ばかりの話しではなく、その人が人生に求めている事で考えるとただコスパばかりで生きる事とは違った意味深い人生に変るのだと私は思います。

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