大学に入学した頃までなので2年間くらい、T緑さんという女性から入信のお誘いを受けていました。
右寄りの曽野綾子さんは好きではなく、三浦綾子さんの塩苅峠という文庫本を紹介されて感動したのは、T緑さんから紹介されたのがきっかけでした。
曽野綾子さんの小説を勧められていたらすぐに失望したかもしれません。
統一教会では合宿以外でも支部のマンションに男女のスタックがいて、原理の講義をしていました。とっても真面目で一生懸命な兄や姉のような方々です。
T緑さんは26才。
たぶん、献身されていた。自宅の玄関で立ち話を何度かしていて、ある日リビングに上がってもらってお話ししたことを思い出します。
手紙もなんどか頂いた。杉並の支部のマンションに伺うと「お帰りなさい」言われる。
熱心さと教義の真理性は別。
塩苅峠という小説は実際にいたキリスト教徒の男性が電車事故の際に、レールに自分の身を投げて故障した電車のブレーキとなって社内の他人を助けたことを小説にした作品。感動的。
でも、統一教会の教えとその男性の生きざまは別もので違う。そのように19才の私は考えていました。人と触れ合う心地よさと真理を知り実践することは別ものだという考え方、分別をつけていました。
原理の内容がどこか真理性に欠けている、そんなフーに感じていたから入信できなかった。
大学に入ってからは部活の友人から朝日ジャーナルを勧められる。
その朝日ジャーナルでは統一教会の批判記事が掲載されていました。そこから一気に冷めます。
思い返せば、キリスト教に興味を持ちながらも仏教にも関心がありました。
私の母の姉の親戚に理髪店がありました。世田谷区で営業していて、ある朝火事のニュースがテレビで流れた。
ほどなくして叔父から母に電話。どうやらその理髪店が火事でニュースになったらしい。両親と子供3人。「早く逃げて!」と言っていた姉が煙を吸い込んで亡くなった。
その葬式で腕にやけどをされた僧侶が法話をされた、内容は忘れました。ソコから仏教について興味が湧いて本を読んだ。
当時の私は、自律神経失調症のようなところがあったので、自己催眠術などもしていて、そんな流れで仏教的な座禅に興味がありました。
座禅の時の腹式呼吸法を少しやっていた。
多方面に興味関心があって知識もあったので統一教会に入信できなかったのです。
原理の内容が作り物で真理のようではなかった。
あれから40年。
T緑さんは今のその中の人なのか?
脱会されて人生を歩まれたのか?
私は、縁あって、ヴィパッサナー瞑想という真理を知る方法を知り実践している。何と幸福なことなのか、と思うのです。
コメント