”顔を忘れた”と母に言われる

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上皇様と同じ年の母は老人ホームのお世話になっています。

新型コロナ渦でその老人ホームの母の部屋に入室できなくなりました。コロナになる前には、便通を良くする為にと本人指定でヨーグルト、バナナ、納豆をスーパーで買って私が届けてきました。

そして、ホームでの出来事や愚痴をひたすら黙って聞く。私の近況報告をする。ということを毎週していました。

コロナになってからは、母に会うことができなくなったけれど、携帯電話を使って声を聴き、必要な買い物をしてスタッフに手渡しする。

その母の携帯が3Gだったので、3月末で使えなくなりました。2月前から朝起きられず、朝食時間までに食堂にたどり着けない日がある、「罰で朝食抜きだってさ・・」と怒り語調を聞いていてこちらは心配。

で、昨日母と2年ぶりに面会し顔を合わせて話しをしました。予約時刻少し前にホームに到着し外で待つ間、駐車場の脇に桜草がきれいに咲いており写真を撮影。定刻になるとスタッフから呼ばれてエントランスの椅子で待ちます。

10分くらい遅れて久しぶりに母をみると元気そう。

4歳違いの兄と私は背格好が似ています。アクリル板越しに話します。

わたくし:「次男の・・だけど・・」

母:「え? 誰ですか?」

わたくし:「長男じゃなくって次男の・・・」

怪しい人を見るようにして。

母:「顔見ても誰だか思い出せないね~」

電話では頭がしっかりしていて、誰と話しをしているかわからなくなったことはない母。電話で、”だいぶ痩せたから家族とは会いたくはない”とも言っていたけれど、顔色は良く、会話もしっかりしている。

痴呆症というよりも目が悪いし逆光がまぶしかったのかもしれません。少しづつ話しを続けるといつもの、元の母になっていました。

コロナになる前には、近くの公園で車いすを押して散歩した。その時に買ってきて一緒に食べたお寿司がまた食べたいと言います。

電話では”足りている。”と決して言わない事でも会うと本音を聞くことができる。

私のスラックに洗濯で付いた白いほこりを見つけて「なにそれは」と気づかせたり、ホームの駐車場の芝桜を自席から見つけてみたり。

先ほど撮影した芝桜をスマフォで見せると、「そう、それそれ。」と頷いていた。

面会時間となり、お見送りで「いい人できるといいのにね~」と背中から聞こえた。

しっかり私が未だに独身であることと自分の次男であることが分かっていたようです。

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